独学でIELTS 7.5を取得する方法

海外留学を考えたときに必ずと言っていいほど必要となるのが、IELTSやTOEFLなどの語学力を証明するための試験のスコアです。予備校に通うと数十万のお金がかかってしまいますが、IELTS 7.5までは独学で達成可能です。とはいえ、やみくもに何度も受験しても点数は上がりません。正しいやり方で戦略的に対策を行うことが重要です。

IELTSについて

International English Language Testing Systemの略で、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダへの留学・就労・移住希望者を主な対象とした英語能力判定テストです。近年、アメリカでも利用できる大学が増加しています。

Listening、Reading、Writing、Speakingの各技能を1.0(最低)~9.0(最高)まで0.5刻みの17段階で評価します。OA(Overall)は各技能のバンドスコアを合計し、4で割った数字となります。端数は切り上げとなるため、計算結果が7.25の場合、OAは7.5です。

大学によってOAでのスコアのみを条件としている場合と、セクション別の最低点を設定している場合とがあります。

イギリスの学生ビザOA5.5(各5.5)
一般的な大学留学OA5.5~6.5
一般的な大学院留学OA6.5~7.5
MBAOA6.5~7.5
スコア要求

IELTS OA7.5を達成するための内訳

OAで目標を達成するために、各セクションで何点を取る必要があるのか作戦を立てることが重要です。日本人の多くは、リーディング、次にリスニングでスコアを稼ぐのが一般的な戦略です。ライティングは高スコアが出にくくなっています。

セクション別のスコアは下記の表が現実的なバランスとなります。下記の表を参考に、自分の得意不得意に合わせてアレンジしてみてください。

OverallListeningReadingWritingSpeaking
7.57.58.56.56.5
7.07.08.06.06.0
6.56.56.56.06.0
6.06.06.05.55.5
5.55.55.55.05.0
目標スコア別 各セクションのスコアバランス

現状の把握

目標に対して現時点でどれだけ実力が足りていないのかを把握し、いつまでにどのスコアが必要かということから逆算して勉強の計画を立てる必要があります。英語力は一朝一夕で上がるものではなく、IELTSのOAスコアを0.5上げるのに、200時間かかると言われています。

IELTS Progress Checkでは格安でIELTSの模試を受けることができるため、まず初めに受験して現状のスコアを確認することをおすすめします。

Official IELTS online practice tests – IELTS Progress Check

単語

語彙力は4技能全てに影響する最重要事項です。まずは単語帳を1冊頭に叩き込む必要があります。試験によって語彙の傾向が異なるため、IELTS専用の単語帳を使うのが一番効率が良いです。

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IELTSに限らず暗記の基本となりますが、一度で覚えきろうとせずに回転数を上げて何度も繰り返し触れることが大切です。

暗記のコツについてはこちらのページに詳しく記載しています。Coming soon…

リスニング対策

公式問題集を使って間違えた問題を分析していくということを繰り返します。

IELTS 16 Academic Student's Book with Answers with Audio with Resource Bank (IELTS Practice Tests)
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リスニングは一口に「聴けない」といっても様々な原因が考えられます。

  • 単語を知らなかった
  • 単語は知っていたが発音を知らなかった
  • 発音も知っていたがリンキングが起きて聴き取れなかった
  • スピードが速すぎて聴き取れなかった
  • スピードが速すぎて理解が追い付かなかった(英文を前から理解することに慣れていない)
  • 問題形式に慣れておらず解答となる部分を見失ってしまった

このように原因を徹底的に分析し、それに対して対策を行うようにします。対策を行わないままたくさん聴いてもあまり効果がありません。

発音できない音は聴き取れませんので、シャドーイングでネイティブと同じように発音する練習をするのも効果的です。シャドーイングの教材は何でも構いません。Youtubeでも手に入れることができます。

シャドーイング100本ノック

イギリス英語に慣れるためにBBCのGlobal News Podcastを聴くのもおすすめです。1回30分で毎日更新されるので教材に困ることがありません。副次的効果として世界のニュースにキャッチアップすることができます。IELTSの単語帳で覚えた単語もよく使われているので、単語の定着や意味を掴むのにも役立ちます。注意していただきたい点は、聞き流しはリスニング能力を根本的に向上させる勉強法ではないということです。前述のリスニング対策と組み合わせて、空き時間に聴くのがおすすめです。

BBC Global News Podcast

リーディング対策

語彙力がついてくれば安定した得点源となるのがリーディングです。公式問題集を解いて間違えた問題、分からなかった単語を確認するということを繰り返します。

公式問題集を数回解くと苦手な問題形式が見えてくると思います。苦手な形式を重点的に対策することで効率的に得点を伸ばすことができ、スコアも安定します。

headings問題

段落の小見出しを見つける問題です。選択肢を見る前に自分なりに各段落を要約して、それに合った選択肢を探すようにします。

段落選択問題

設問の内容が本文のどの段落に書いてあるかを答える問題です。時間がかかるため、迷ったら思い切って捨てましょう。

抜き出し問題(要約文、表、図)

本文の中から1~3単語を抜き出して答える問題です。品詞なども埋める際のヒントになります。大文字・小文字を気にする必要はありません。

選択問題(4択、マッチング、要約文の穴埋め選択)

記号で答える問題です。

True/False/Not Given

設問の内容が本文に一致するか、矛盾するか、判断できないかを答える問題です。一般論ではなく飽くまで本文に書いてあるか、書いてあることと異なるか、書いてあることからは決まらないかで回答します。Not Givenの考え方はこの動画が参考になります。

5分でわかるFalseとNot Givenの違い

ライティング対策

IELTS参考書で型を身に付ける

ライティングはこちらの参考書を中心に対策を行います。(ライティングだけでなく全パートで役に立つ内容なので非常におすすめです。)出題パターン別にライティングの型が掲載されているので、すべて頭に入れてしまうことをおすすめします。本番で構成や表現に悩む時間を短縮できます。

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初めは何を書いていいのか分からず手が動かないということもあるのではないかと思います。その場合は、掲載されている模範解答をゆっくり書き写してみてください。構成、接続詞、冠詞、主語…など様々な気づきがあるはずです。英作文は「英借文」だと考え、良い文章をどんどん吸収していきましょう。

英語らしい文章を書く

他の人の書いた文章を見ていくうちに、自分の英文と違うのは分かったけれどどう直してよいのか分からないと思われるかもしれません。『ここで差がつく! 英文ライティングの技術—英語は「I」ではじめるな』という本では、どこを変えれば英語らしい文章に近づくのかを理論化してくれています。IELTS対策だけに留まらず、ライティング能力の底上げのためにぜひ取り組んでいただきたい参考書です。この本で練習すると、日本人が陥りやすい「I ~and I … so I …」のようなあまり格好いいとは言えない英文から脱却できます。

ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな
ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな

アイディア出しの練習をする

IELTSでは英作文の課題として社会的なトピックが出題されます。英語力の問題とは別に、何も意見が思いつかなければ文章を書くことができません。素早く論点をまとめることができるような訓練が必要となります。コツは、下記の項目のどれかに結び付けて考えることです。これらは否定することの難しい基本的な価値で、様々な論点も突き詰めればここに到達します。そのため、迷ったときはこれらを起点に考えてみることで何かアイディアが浮かんでくるはずです。

  • 時間(時間を節約できるor時間の無駄になる)
  • お金(経済的メリットorデメリットがある)
  • 健康(健康に良いor悪い)
  • 環境(環境に良いor悪い)
  • イノベーションを生む

スピーキング対策

スピーキングの評価項目

4つの観点別評価でその平均がスコアとなります。評価項目を理解した上で対策を行います。「課題に対して答えているか」という評価項目はないため、多少内容がずれても話し続けるほうが得点は高いです。バンドスコア7.0までは、流暢にコミュニケーションがとれていれば、無理に難しい語彙を使おうとしなくても到達可能です。

  • Fluency and coherence(流暢さ、一貫性)
  • Lexical resource(語彙)
  • Grammatical range and accuracy(文法)
  • Pronunciation(発音)

Part1

スピーキング能力が高いことを試験管に印象付け、試験を有利に進める上でPart1は非常に重要です。また、印象の話だけではなく、スピーキングの最終的なスコアはPart1でのスコアを基準にPart2で0.5~1.0上下させて決定するという話もあるので、Part1でいかに流暢に話すかは非常に重要です。

こちらのサイトの例題を使って練習しておくと、どのような話題にも対応できるようになります。

IELTSスピーキングで8.5を取った私が対策で使った例題110選 (atsueigo.com)

アピールはしなければならない一方で、あまり不自然に難しい(慣れていない)表現を使って”Showing off”する必要はないと下記の動画で指摘されていました。Keep your answers short and sweet、がポイントです。スピーキングのバンドスコアが7.0以下の場合は、評価項目の中で「流暢さ(Fluency)」に重点を置くとよいでしょう。

IELTS Speaking: How to Introduce Yourself – Tips and Tricks

Part 2 & 3

Part 2では試験管に与えられたトピックに対して2分間のスピーチ(1分間の準備時間とペンとメモが与えられる)を行い、Part 3ではそれに関して質疑応答を行います。

少し裏技的になってしまいますが、直近の出題が受験生の口コミによって集められているサイトがあるのでそれを使って練習してみるとよいです。本番に出る可能性があると考えると対策も真剣になりますし、記憶に残りやすいです。

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